Happy b(a)irth day
「マティ先生、お誕生日おめでとうございます!」
苺のケーキを食べ終え、私は赤いリボンでラッピングされた包みを渡した。
「ありがとうございます。嬉しいですねえ。君が傍にいてくれるだけで十分ですが……」
マティ先生は微笑み袋の中を覗き込む。ころり、と淡いピンク色の球体が白い手袋の上に乗った。
「これは…なんでしょうか?」
「入浴剤です。溶けると中から花びらが出てくるみたいですよ」
「なるほど、興味深いですね。もちろん、一緒に入りますよね」
「えっ!」
「溶けるところは一度しか見られないでしょう?せっかくですし、僕としては君と一緒に見たいですねえ」
*******
「うう……」
バスタオルをぎゅっと身体に巻き付けると、浅い呼吸が漏れる。心拍数が上がるのを感じながら思い切ってドアを開けた。
「お、お待たせしました」
「おや、タオルは取らないのですね。残念です」
「恥ずかしいので…あまり見ないでください」
「はは、わかりました」
私は先生の方をなるべく見ないように湯船の傍にしゃがむ。マティ先生は私の隣に座ると、上機嫌で粉っぽいかたまりを観察していた。
「実験みたいでワクワクしますねえ。では、入れますよ。それっ」
投げ込まれたものは浴槽の底に沈んだ後、シュワシュワと溶けながら浮かび上がる。桃色に色付きながら水面に沢山の花びらが広がっていった。
「わあっ、すごいですね!お花のいい香り……」
「ええ、とても癒されます。ぜひ僕も作ってみたいですねえ。中からラーメンが出てきたら面白そうでしょう?」
「…………」
「ふふ、冗談ですよ。アステル、お先にどうぞ」
「ありがとうございます」
私の身体を避けるように花弁が揺れ、いつもより少し熱いお湯に浸かる。私の後ろにマティ先生が入ると湯船から水が零れ落ちた。
「おっと。二人で入ると少し狭いですね。アステル、そんなに隅で丸まっていては身体が温まりませんよ」
「でも……」
「ほら、おいで」
私はマティ先生に背中を預け、腕の中に収まる。身体は緊張で固まり、浮かぶ赤い花びらをじっと見つめるが、神経は密着した肌に集中して心臓の音がうるさい。
「綺麗ですね。それにお湯もなめらかで、肌がすべすべになりそうです」
「気に入ってくれてよかったです」
「大満足ですよ。こうして君とお風呂にも入れましたし」
「先生は私に裸を見せたくないと思ってました……」
「もう君は立派な大人です。傷を見ても泣かないでしょう?」
「はい。傷は大切な人を守った証ですから」
「…強くなりましたねえ。先生として誇らしいですよ」
先生の大きな両手が温かなお湯を掬う。白いバラの花びらが零れ落ち、私の胸元に辿り着いた。
******
「まったく。お風呂でのぼせるなんて、まだまだ子供ですねえ。はい、どうぞ」
「す…すみません……」
ベッドに腰かけ顔を扇ぐ私に、マティ先生は呆れた顔でグラスを差し出す。冷たい水を喉に流し込むと、内側の熱が落ち着いた。
「……ふぅ」
「アステル、大丈夫ですか?」
「はい、ありがとうございます」
「念のためもう一杯飲んでおきなさい。寝る支度をしたらもう休みましょう」
私が横になると、先生は火照った体を優しく抱き寄せた。そのまま子供をあやすように頭を撫でられる。
(あ…先生から花の香りがする……)
一年に一度きりの、特別な日。生まれてきてくれたこと、出会えたことに感謝したい。私は温かな胸から顔を離して、マティ先生を黙って見上げた。
「…まだ顔が赤いですし、早く寝ないと駄目ですよ」
「もう大丈夫です。それに、これはお風呂のせいじゃないです……」
「ふふ、悪い子だ」
「嫌ですか?」
「まさか。僕はもっと悪い男ですから」
先生は口角を上げ、私の唇に重ね合わせる。薄く口を開くと、舌先が触れ合い、ぞわぞわとした感覚が背筋まで走った。ぎこちなく動く私の舌を先生のが追いかけて絡まり、下唇に吸いつかれる。頭の奥が甘く痺れ、呼吸を忘れかけた。
「んっ♡はぁ…っ…先生……」
「ふふ、君から入浴剤の香りがしますねえ」
「先生も……」
「お揃いですね。こうして毎日肌を寄せ合えば、いつか僕も君と同じ匂いになるのでしょうか」
「わ、私のですか?」
「ええ。甘くて優しくて、とっても美味しそうな匂いです」
首元をぺろりと舐め上げられ、ぞわぞわとした感覚が背筋を走る。下腹部が疼き、思わず太腿を擦り合わせた。
「きゃっ!」
「…本当に、傷が残らなくて良かった」
湖面のように澄んだ瞳に影が落ち、その表情に胸が切なく締め付けられてしまう。マティ先生は壊れものを扱うように、細い指で私の肌をなぞった。
「先生になら、傷つけられてもいいです」
「まったく…君には敵いませんね」
再び先生の顔が近付いて唇を食まれる。乳房をゆるく持ち上げられ、じれったく乳輪を弄られた。マティ先生が舌先で固くなった蕾を押し潰すと、ぴりぴりとした電気が流れ、不連続な刺激に身を捩る。
「ん♡あっ♡先生♡」
「ふふ、くすぐったいですか?可愛い子だ……」
艶を含ませた声で呟き、先生は私の内腿を撫でながら脚の間に滑り込む。濡れた秘裂がゆっくりと割り開かれて卑猥な水音を立てた。
「あっ♡」
「ここからも花の香りがしますねえ」
「うぅ…恥ずかしいです……」
閉じようとした脚は容赦なく戻され、膣口に垂れる愛液を舐めとられる。ぬるりと生温かい舌がクリトリスを這うだけで、あまりの刺激に嬌声が抑えられない。クリの下をつつかれ、ナカに差し込まれ、溜まっていた快楽が溢れ出し一気に昇りつめていった。
「あぁ♡やっ♡んっ♡あっ♡ぅ、んっ♡」
「ふふ、君は素直で…つい意地悪したくなってしまいます」
「あ、ぁ♡んっ、あぁっ♡ や、あ♡マティ先生♡待って♡」
「ん……どうしましたか?」
「気持ち良くて、すぐ…い、……っ!」
「我慢は身体によくありませんよ?ほら、イきなさい」
「あぁっ♡」
ビクッビクンッ
充血した花芽に吸いつかれ、強すぎる快楽に呆気なく絶頂する。イってもなお責めは止まず、私は背を反らし爪先を丸めて耐えた。
「んっ、うぅっ♡あっ♡はぁ♡はぁ…♡」
「このまま沢山イかせても良いのですが、君の身体が心配ですからね」
ひくつく肉に先生の熱いペニスが触れる。熱く固いカリがすり潰すように何度もこすりつけられ、カウパーと蜜が混ざり合う。
「挿れますよ」
グチュッ…ヌチュッ……
亀頭がお腹を内側から押し上げ、圧迫感に思わず腰が浮く。先程の余韻で膣内を締め付け、心地よさがループしていた。
「んっ…♡ぅ、っはあ♡」
「君にはいつも苦しい思いをさせてしまいますね」
「そんなこと、んっ♡」
「ほら、眉間にシワが寄っていますよ」
先生の長い人差し指で軽くなぞられ、目を閉じていたことに気付く。薄く瞼を開くと慈愛に満ちた視線に頬が熱くなった。
「ふふ、君は素直で可愛いですねえ」
「…また子供扱いですか?」
「そう思っていたらこんなことしませんよ。僕は一人の人間として、君を愛しています」
尖らせた唇を啄まれる。熱い杭がお腹の奥に深く沈み込み、ナカを味わうようにゆっくり抜けていった。体内に重い快楽が満ち、思考が鈍くなっていく。
グチュッ、ヌチュッ、ズチュッ、ヌチュッ
「あっ♡…んぁっ♡んっ♡あっ♡やっ♡ぅ、あぁ♡ 」
「君にその目で見つめられると……我を忘れそうになるな……」
「大丈夫、です♡先生の好きにしてください♡」
「はぁ…煽ってはいけませんよ。それとも僕が誕生日だから…甘やかしてくれているのですかねえ」
ズチュッグチュッヌチュッグチュッ
抽送は徐々に激しくなり、膣内が淫らに収縮しペニスを締め付けた。多幸感の波が押し寄せ、ふわふわとした身体を逞しい槍で貫かれる。
「あっ♡先生♡あぁ、ぅぁあ♡やっ♡んっ♡」
「アステル…はぁ…んっ…くっ……」
「んっ♡……ぅ、っあぁ♡…あ♡あっ♡ぁん 」
「んっ…!」
「ああっ♡」
ビュルルッビューー
結合部が密着し先生の肌と一つになった瞬間、最奥に白濁液が注がれる。甘美な温かさが子宮に広がり、ナカは精をねだるように何度も痙攣し続けた。
私は荒い呼吸をしながら、頬に添えられた手の平に自分のも重ねる。
「アステル……」
「先生…お誕生日おめでとうございます」
「本当に、君と出会えたことが何よりのプレゼントですよ」