ある夜、いいものを見せてやる!と上機嫌のライアスさんは、私の目の前で怪しげな液体を一気に飲んだ。彼の背はみるみる高くなり、顔つきや全てが成長していく。
パチパチと瞬きをした彼は鏡の前に行き、低い声で子どものようにはしゃいだ。
「すげー!見ろよこれ!顔は思ったより変わってねーけど…父さまみたいにヒゲ伸ばせば強そーじゃね!?へっへーん、背だってお前よりたけーし!」
「そ、そうですね……」
「なんだよ…オレ様がカッコよくなったんだからもっとよろこべよなー」
眉を吊り上げ不機嫌そうに睨む青年が近付き、私は無意識の内に後退りしてしまった。
「アステル!なんでオレから離れんだよー!」
「ごめんなさい。知らない人みたいで……」
「…………」
目の前の青年はぷくっと頬を膨らませ、無言でポケットから取り出した薬を飲む。今の出来事がまるで夢だったかのように、あっという間にライアスさんは元に戻っていた。
「ふんっ!」
「せっかくライさんが楽しませてくれようとしたのに…ごめんなさい」
「別にちげーし。飽きただけだし」
「でも私の反応も悪かったですよね。ちょっとビックリしちゃって……」
「あー、もー!家来1号、ひざ枕しろー!」
「えっ、はい。どうぞ」
私は急いでソファに腰掛け両手を伸ばす。彼は太腿の上に頭を乗せ私のお腹に顔を埋めた。
「でっかくなってもお前にカッコいいって思ってもらえなきゃ意味ねーだろ……」
「ライアスさん……」
「なでるな!ガキ扱いすんじゃねー」
「してませんよ。ライさんはそのままで一番かっこいいです」
「…ほんとか?」
「はい」
「アステル…目、閉じろ」
高鳴る気持ちを抑えながら待つと、そっと唇に熱が灯る。
「もう一回だ……」
「んっ…ライさん……」
おずおずと口を開き舌を伸ばすと、傍にあった彼の小さな舌と触れ合う。震えて一度離れてしまうが、すぐにまたゆっくりと近づく。柔らかく湿った肉を必死に突き合い、どちらともなく繋いだ指先を絡めた。
「アステル…んっ…はあ…好きだ……」
「私も…ライさんのことが…大好きです……」
「へへっ、お前ってやわらけーよな。なんかいい匂いするし……」
「ライさんもいい匂いですよ。肌も白くて羨ましいです」
そう言いながら彼の赤みを帯びた頬に指を滑らせてみる。柔らかくも弾力がありいつまでも触っていたい感触だ。
「アステル…今オレのほっぺが赤ちゃんみたいとか思っただろ」
「えっ!?」
「図星かこのやろー!オレは赤ちゃんじゃねー!おしおきだ!必殺コチョコチョビーム!」
ライアスさんはニヤリと笑い私に襲い掛かってきた。わき腹をくすぐられて身を捩るが、狭いソファーからはなかなか抜け出せない。
「あははっ…!ライさん、ごめんなさい…!」
「ゆるさねー!オレ様の攻撃をくらえー!コチョコチョー!」
「きゃあ!あははっ、もう降参です!」
「へへっ、これに懲りたら二度とオレをガキ扱いすんなよな!」
***
一緒にお風呂に入り、寝間着に着替え、ベッドの上に寝転ぶ。最近パジャマが小さくなり新しく買い変えた彼を見て、ふと先程の姿が思い出された。
「さっきの大人になったライアスさん……やっぱりなんでもないです」
「なんだよ言えってー。気になるだろー」
「えっと…あんな素敵な王子様の相手が私じゃ不釣り合いかも」
「はあ!?」
「綺麗だけど男らしくて…きっと女性に人気があるんだろうなぁ」
「ばか!ばか!ちょーバカ家来!お前なんか大っきらいだー!!」
「ああっ、ライアスさん待ってください!」
彼は泣きそうな顔で叫び部屋を出て行ってしまった。ライアスさんを怒らせてばかりの自分に溜息を吐きながら私もすぐに彼を追う。
城中探してもライアスさんは見つからず、よく彼が鍛錬している近くの丘まで向かう。彼は月の青白い光に照らされ静かに佇み、そのまま消えてしまいそうなほど儚げだった。
「…………」
「ライアスさん!」
「な、なんだよー。何しに来たんだよ……」
「もちろん謝るためです」
「うるせー!オレがなんで怒ってるかちゃんとわかってるのか?」
「えっと、私が大人のライアスさんを褒めたからですよね?」
「ぜんっぜんちげーし!」
「ごめんなさい…わからないです」
ライアスさんを嫌な気分にしかできない自分が情けなくて、涙がこみ上げてくる。
「アステル、泣いてるのか…?」
「ぐすっ……」
涙を拭っている私を近づいてきたライアスさんがそっと抱き寄せる。背はまだ少し私の方が高いが、きっとすぐに追い抜かれるのだろう。
「泣くな」
「だって…私……」
「…お前は!オレが他の女を好きになると思うのかよー!」
「そ、そんなことありません」
「だったらオレを信じろ!不釣り合いとか言ってんじゃねー!お前はオレが選んだ后なんだから自信もてよな!」
********
寝室のベッドに腰掛けたライアスさんの足の間に座り、彼の白く柔らかいペニスをアイスキャンディのように舐め上げる。
彼の大きな瞳は潤み、頬を赤く染めて時折感じ入る声が漏れる。スベスベの内腿を撫でながら先端を口に含み吸い上げると、彼は仰け反り爪先を伸ばした。
ジュプッ…ジュルル…ジュル……
「ふわぁ…アステル…それ…やべー…あっ……」
「んっ…ライさん…気持ちいいですか?」
「すげー…いい…ひゃっ!ま、まずいって…んんっ、もう…ガマンできねー…でそーだ……」
「いいですよ…いっぱい…出してください……」
「うわあっ!やめっ、急に、舌が、でる、でるっ!うああ!」
ビュルルルッ
ライさんはシーツを鷲掴みにし、腰を震わせ堪えきれなくなったように射精する。私は温かなミルクを飲み込み、鈴口に舌を捩り込んだ。
「アステル、もういいって!あっ、あー…うー…っ!」
ピュルッ
彼は目をギュッと瞑り、小さく残りも吐き出す。
「はあ…はあ…くそー、やめろって言ったのに…次はお前の番だからな!」
ライアスさんは私をベッドに押し倒し脚を開かせ、小さな舌を伸ばす。くすぐったくも心地よい刺激に息が上がっていった。
「あ…んっ♡ライさん♡」
「んっ…アステル…はあ…気持ちいーか?」
「はい♡ああっ♡そこ♡やっ♡」
「お前ここ好きだよなー…んっ……」
「ああっ♡やあっ♡あっ♡」
ビクッッ
花芽をペロペロと舐められ私の身体はすぐさま達してしまう。とろとろ流れる愛液もライさんは丁寧に舐め取った。
「んっ♡あっ♡はあ…はあ…♡」
「…もう入れていいか?」
「はい、きてください♡」
ライさんは慎重に亀頭を入り口に宛がうと、ゆっくり腰を進めて挿入していく。水音とともに彼の陰茎が膣内に密着し、お腹の奥がじんわり痺れるような快感が広がった。
「…辛くないか?」
「大丈夫です」
「そっか…なあ、アステル、オレはお前が好きだ。何年たってもこの気持ちは変わらねーけど…早く大人になってお前を安心させたいぜ」
「…私はまだライさんに大人になって欲しくないです」
「はあ?なんでだよ」
「かっこよくて時々可愛くて…でも誰よりも男らしくて強い今のライさんも好きなんです」
「アステル…急に恥ずかしいこと言うなよ!ヒキョーだぞ……」
ライさんは驚き真っ赤になって視線を逸らす。私が微笑むとムッとした顔で口を尖らせた。
「笑うなよ…っつーか…お前の方が可愛いし……」
「ふふっ、ライさんの方が可愛いですよ」
「ぜんっぜんうれしくねー!」
私たちは暫く睨み合った後、糸が切れたように同時に笑い出した。彼は優しい顔をしてそっと甘いキスを落とす。
「んっ…アステル…好きだ……」
「私も…ライさん…大好きです……」
未だ大人のキスに慣れない私たちは、息を苦しくさせながら、ぎこちなく舌を絡ませ必死に求め合う。口の端を唾液が伝い、突かれる度に膣内は彼のペニスをギュッと締め付けた。
グチュッ、ズチュッ、パチュッ、ズチュッ
「アステル…オレも好きだ…うっ…大好きだ……」
「あっ♡あっ♡んっ♡ライさん♡好き♡」
「はあ、はあ、アステル、好きだ、とまんねー、もう、イきそうだ」
「私もイきそうです♡ああ♡んっ♡」
「アステル、お前も一緒に、はあ、あっ、でる、うっ、ああっ」
「ああ♡♡」
ビクンッビクッ
ビュルルッ
フワフワした意識が一瞬途切れたのと同時に、亀頭から勢いよく精液が放たれる。膣壁は熱いペニスに纏わりつくようにうごめく。
「んっ♡はあ…はあ♡」
「やべー…気持ちいい…抜きたくねー……」
「…ライさん」
「んー…なんだ?」
「私はライさんと一緒に、ゆっくり大人になっていきたいです」
「アステル…へへっ、仕方ねーな。オレもお前に合わせてやるよ」