Bittersweet
「はあ…はあ…アステル…んっ…アステル……」
「んっ…はあ…ヒューズさ、ん……」
白いベッドの上で、私とヒューズさんはお互いの舌をぎこちなく押し付け合い、どちらともつかない唾液で口元を汚していた。腔内をぬるりと舐め合う快感に指先が痺れ感覚が無くなっていく。
ヒューズさんの白く長い指が太腿をなぞり上げ、押し倒される寸前に私は唇を離した。
「あの…ヒューズさん」
「どうしたのだ?」
「私、いつもヒューズさんに色々して貰ってばかりなので、少し勉強してきたんです」
「勉強だと?」
「はい。試しても良いですか?」
「まあ…お前がしたいなら付き合ってやらなくもないが……」
「ありがとうございます」
困惑気味のヒューズさんにベッドに腰掛けて貰う。私はヒューズさんの足の間に座り、張り詰めた水玉の布を下ろすと、彼の濃い匂いと熱が立ち上る。瓶から赤紫色の液体をとろりと手に乗せて、ピンク色の綺麗なペニスを優しく包み込んだ。
「うわあ!な、なんだそれは!?」
「えっと…特製ローションらしいです」
「まさか…ジャミに貰ったのか?」
「はい。塗ってみますね」
「フン、気に食わぬ…くっ…なんだ…これは…?!あっ…温かい…お前の手が…はあ…っ…んんっ…!」
グチュッグチュッヌチュッズチュッ
私は両手で脈打つ陰茎を握り、卑猥な水音を立てながら上下に動かす。すぐにヒューズさんは頬を真っ赤に染め、恍惚とした表情で腰を揺らした。
「ヒューズさん、どうですか?」
「あ、ああ…すごく…気持ちいい……」
「よかったです…次は…んっ……」
私が赤く膨らむ先端に舌を這わせると、果汁のように甘く苦い味が広がる。ペニスの凹凸に合わせシロップを掬い上げられる度、彼の腰は震えカウパーが溢れた。
「うああっ!き、急に舐めるな!」
「ごめんなさい…!やっぱり手だけにしますね」
「い、いや少し驚いただけだ。別に、やめなくていい」
「でも……」
「…やめないでくれ」
小さく呟かれた声に、私は離そうとした唇を再び寄せる。カリ首の下に吸い付きながら、根元は手で扱いた。
「はあ…あ…アステル…アステル…んっ…!アステル…そろそろ…出そうだ…!」
「んっ…わかりました…ヒューズさん、仰向けになって下さい」
「わ、わかった」
私はベッドの上に膝立ちになり仰向けに寝転んだ彼を跨ぐと、ペニスをつかみ、先端を膣口に当ててゆっくり腰を落とす。
「んんっ♡はあ…あっ♡」
「ま、待て!アステル…お前…自分で…!!んっ、少し待てっ!」
「はあ…はあ…はいった…動き、ますね……」
内側からの圧迫を押し込むようにペニスを根元近くまで挿入する。前後に身体を揺らすだけで、今にもはち切れそうな肉棒にナカを抉られ倒れこみそうになる。強過ぎる感覚にぐっと耐えて、乗馬を思い出し腰をくねらせた。
グチュ、ズチュッ、ズチュン、グチュ、グチュッ
「うあっ、やっ、やめろ!!まだ…うっ、そんな、腰を、動かす、な…!」
「んっ、これだと、気持ち良く、ないですか…?」
「そうではない!そうではないが…!あっ、くっ…今は…駄目だ!アステル、一体どうしたのだ…!?いつもと様子が違うぞ…!」
「嫌、ですか…?やっぱり私だと……」
私が動きを止めて目を伏せると、ヒューズさんは真剣な顔で長い耳を少し揺らす。彼は落ち込む私の頭を抱え、自分の胸の中へ引き寄せた。
「お前は何を不安がっているのだ?」
「…私、ヒューズさんの恋人で本当にいいんでしょうか」
「まさか!俺のことが嫌いになったのか!?」
「ち、違います。ヒューズさんは女性にも人気がありますし、街を一緒に歩いててもすごく目を引くので……」
「それはお前の思い違いだろう。ララピットを物珍しがっているだけだ」
「違います…!ヒューズさんが素敵でカッコいいから見てるんです!」
私が必死にそう言うと、ヒューズさんはぴたりと動きを止め赤い瞳でじっと見つめた。
「私、変なこと言いましたか…?」
「いや…お前は俺のことをカッコいいと思っているのか…?」
「えっ、もちろんそうですよ」
「そうか…………そうか…………」
彼は目を逸らし噛み締めるように繰り返した。彼の頬はみるみる赤くなり、ぴょこぴょこと耳が動く。抱きしめる力が強くなったのを感じ、私はすべてが杞憂であったことに気付いた。
「べっ、別に喜んでなどいないぞ!」
「ふふっ、はい」
私は雪のようにきめ細やかな首元に顔を寄せ微笑む。いつの間にか胸の内にあったもやもやとした不安は消え、温かさで満たされていた。
ヒューズさんは私の髪を優しく梳き、愛おしさを滲ませた声で囁く。
「アステル、俺はそのままのお前が好きだ。今日のお前も悪くないが、俺はお前と一緒に気持ち良くなりたい」
「ヒューズさん……」
「好きだ、アステル。今度は俺に…お前を愛させてくれ……」
「はい。んっ……」
口付けは段々深くなり、舌と指を絡め肌を擦り付け合う。蜜壺に再び肉棒が挿し込まれ、子宮を押し上げるほど深く突かれた。
ズチュンッズチュンッグチュンッパチュンッパンッパンッ
「あっ♡んっ♡ヒューズさん♡ヒューズさん♡」
「はあ、はあ、アステル…アステル…好きだ…大好きだ…!」
「ヒューズさん♡私も好きです♡好き♡好きっ♡」
「俺も好きだ…!愛してる…!ずっと俺の傍にいてくれ…!」
「はい♡あっ♡ああっ♡ずっと、ずっと一緒です♡」
「はあ、ああ、可愛いな…んっ…はあ…そろそろ…イくぞ…あっ、うっ…く…うああ!」
「あああっ♡」
ビュルルルルッ
最奥を精液が勢いよく叩き、下腹部が痙攣する。ぞわぞわとせり上がる震えに背を反らす身体を、ヒューズさんの汗ばんだ胸板が押さえつけた。彼は更に犯そうと腰を進め、荒い息が私の耳に吹き込まれる。
「アステル…好きだ……」
熱に浮かされた赤い瞳に、今日はできるだけ長く起きていられたらと思った。