da capo(ジャミアス)
「ククッ、怖いか?」
アステルは潤む瞳で俺を見上げ、まるで子ウサギのように震えている。長い時間をかけて身体は準備したが、真っ白な心を溶かすにはまだまだ足りないようだ。
「す、少し……」
「素直でイイ子だねえ。今からでも遅くないぜ。痛みを抑える薬を飲むかい?」
「いえ…ジャミさんから貰うものは、たとえ痛みでも大切にしたいんです」
アステルは俺に欲しい言葉を与える。俺自身が気付かない欲望もコイツにはお見通しだった。俺の身体は一瞬で熱くなり、愛おしくて全部壊してしまいたくなる。
「ああ…イイねえ……」
濡れた秘裂に興奮しきった欲望の先端を当てる。それだけで脳内に麻薬が充満し、理性が焼き切れそうだ。息を飲み必死に耐えると下半身にドクドクと血が集まっていく。
「んっ…!」
彼女の眉間にシワが寄り、膣内は食い千切るほどに俺を締め付ける。汗ばんだ白い首筋を舐めると震え上がるほどに甘かった。俺は荒い息を吐き、肉と蜜が絡まるナカを無理矢理犯し進める。
「ほら、全部入ったぜ?」
「はあ…はあ…ジャミさん……」
「どうした?」
「…好きです」
アステルは俺の瞳を真っ直ぐに見つめ、嬉しそうに笑って言う。どんな淫らな言葉よりも俺を昂ぶらせ、最奥を抉り叩き付けたい衝動に駆られる。俺は彼女の半開きの口に噛み付き、舌を捩じ込んで腔内や歯茎を舐め回した。
「アステル…俺も好きだぜ……」
赤く腫れた唇を奪いながら、このまま俺で塗り潰してしまいたいと願った。
feroce(ヒューアス)
俺としたことが、初めての夜はアステルに無理をさせてしまった。気が付いたら窓からは日が差し込み、彼女は意識を失っていたのだ。これではまるで俺がケダモノのようではないか! ララピットの誇りにかけて、二度と下品な真似はせぬ。男らしく彼女をリードしてみせる……そのはずだったのだ。
「はあっ…はあっ…アステル…アステル…!」
「あっ、ヒューズさ、んっ、ああっ」
俺は喘ぐ彼女の上に乗り、極限まで昂ぶらせたペニスを突き立て続ける。腰が溶けそうに熱く、快楽に何も考えることができない。
「はあ…ああ…気持ち良い…アステル…また…出る…!」
こみ上げる射精感にスピードを早めると、膣内も呼応するかのように俺を締め付ける。部屋中にグチャグチャと卑猥な水音が響き、俺は夢中で破裂しそうな亀頭を彼女の柔らかな肉に擦り続けた。
「はあ…はあ…出る…イく…イく…んっ…あっ…う、うああ!」
俺は震える腰を彼女に押し付け、最奥に何度目かの白濁液を吐き出す。最後の一滴まで注ぎ込んだのにペニスはまだ硬さを失ってはいなかった。
「俺はまた…お前に乱暴にしてしまった…ううっ…許してくれ、アステル…俺はお前の恋人失格だ…俺を嫌いにならないでくれ……」
俺は罪悪感に情けなくアステルの胸に縋り付く。彼女は微笑むと俺を抱き締め髪を優しく撫でた。
「ふふっ、嫌いになんてなりませんよ」
「本当か!?」
「はい、まだこういうのは少し恥ずかしいですけど…ヒューズさんのこと、どんどん好きになってます」
「アステル!」
俺はアステルをぎゅっと抱き締める。俺は悪くない。アステルが可愛すぎるのが悪いのだ。
encore(リンアス)
私の女神様であり恋人であるアステル様はとても可愛らしいお方です。アステル様と幸せな家庭を築くため勉強したところ、子どもはコウノトリではなく男女の営みにより生まれることをリンドロは知りました! 初夜は万全の準備で迎えられ、その後も私たちは順調に愛を育んでおります。アステル様の桃色に染まる肌は花のように可愛らしく…実に素晴らしい時間です。
いつものように満たされた気持ちでベッドに横になろうとすると、アステル様がためらいがちに口を開きました。
「リンドロさん、もう一回…しませんか?」
「は、はい!?あの、私は何か間違えてしまったのでしょうか…?」
「いえ! 決してそういうことではなくて…いつもすぐ終わってしまうので…その……」
アステル様の頬はみるみる赤くなり、泣きそうなほど恥ずかしがっているようです。私は急いで彼女の手をとり、同じかそれ以上の気持ちを伝えました。
「あなたの想いに言われるまで気付かないとは…リンドロ、一生の不覚です!」
「すみません、嫌なら忘れて下さい…!」
「まさか! 本当に…よろしいのですか? 私、あなたのことが大好きなので…あと一回では止められないかもしれません……」
「はい…大丈夫です」
嬉しそうに微笑むアステル様に、萎えさせようとしていたそこは再び反応してしまいます。彼女を抱き締め濡れ切った膣内に挿入すると、繋がったところが溶け合うような初めての感覚にすぐに達してしまいそうになりました。彼女もいつもより感じ入っているような…色っぽい表情にドキドキしてしまいます。
「ああ…アステル様…好きです…! 永遠に愛しています…!」
「リンドロさん…好きです…もっと……」
彼女は天使のような声で私に手を差し伸べてきます。その時私も我慢の限界だと気付きました! 夜更かしは正義の道に反します…でも、アステル様となら……
ああ、神よ…私は幸せで頭がパンクしてしまいそうです。
leggiero(ダリアス)
アステルは俺と舌先を触れさせるだけで背筋を震わせる。いつも通り華麗に服を脱がせてちょーーっとだけ育ったおっぱいに手をかけようとすると、なぜかふくれっ面のアステルに待ったをかけられた。
「何だよ?」
「…ダリルさんってこういうことする時、大体お酒飲んでますよね?」
「んあー? それが何か?」
「…嫌です」
「何が?」
「だから、そうやって酔ってる時にするのはもう嫌です! お酒臭いし……」
本気でイヤがってる…ワケではねーようだ。むしろ不安がってるつーか。コイツは時々意味わからねーことで悩むからな。
「おいおい今更過ぎんだろ。ヤッた回数なんざ軽く二ケタ超えてるっつーか、なんならそろそろ三ケタ……」
「そ、そういう問題じゃありません!」
「じゃあ何だよ。さっさと言わねーと裸踊りの刑だぞ」
「なんでですか…! その…私に魅力が無いから、お酒の勢いを借りないといけないのかと思って……」
「馬鹿、ンなわけねーつの…酒は飲みたいから飲む!抱きたいから抱く!以上!」
「もうっ!ダリルさんは勝手です…んっ」
俺は小煩い唇を塞ぎ、逃げる舌を追いかける。アステルは苦しそうに涙を滲ませ俺の肩を力なく押すが、その手首を掴んで引っ張り白い太腿の間に身体を割り込ませた。
スカートの中に手を這わせると、甘ったるい吐息が耳にかかり俺のモノが勝手にタち上がっていく。
「酒飲んだからって好きでもねー女を毎日抱ける訳ねーだろ…マジでアレな奴だな」
同じ女を飽きずに毎日毎日、死ぬまで抱くつもりの俺も相当アレなんじゃねえ?とかチラリとよぎったのは墓まで持ってくことにする。