アステルちゃんはイクサくんともう一度したい
「アステル、力を抜け」
「は、はい」
白く広いベッドの上で、青空のように澄んだ瞳が私を見つめる。心臓は早鐘を打ち、無意識に指先を握り込んだ。
僅かに湿る入口に熱い昂ぶりを感じた直後、強い圧迫感に思わず顔を歪める。
「っ…!」
「痛むのか?」
「い、いえ…大丈夫…です……」
「無理するな。汗かいてるぞ」
「本当に、大丈夫なので……」
「はぁ…シャワー浴びてくる」
イクサさんは無表情のまま溜息を吐くとバスルームへ向かっていく。私は冷えていく身体で、彼の背中を見つめるしか出来なかった。
********
それから一カ月、同じベッドに寝ていても二人の間には隙間がある。元々多くないイクサさんの口数はさらに減り、私に触れることすら避けているようだ。
晴れた昼下がり、私は二人分の洗濯物を庭に干し終わるとベッドにゴロンと横になった。
「はぁ…嫌われちゃったのかな……」
目を瞑れば、イクサさんの熱い息遣い、肌を滑る指先、愛しげに私の名前を呼ぶ声が鮮やかに思い出される。
私は熱を持て余す身体を丸め、太ももを擦り合わせる。下着の上から割れ目に指を押し込むと蜜が染み出し快感が広がっていった。
「んっ…はあ…イクサさん…イクサさん…あ…んっ♡」
「…何してるんだ」
じんわりとした心地よさに耽っていると、部屋の扉が開く音と居るはずのない人の声に一瞬で全身が凍り付く。
「きゃああ!」
「はぁ…仕事が早く終わったから帰って来たんだが、邪魔だったみたいだな。いつも一人でしてたのか?」
「違います…今日が初めてで…ううっ…ごめんなさい…!」
「…俺とするのがそんなに嫌だったのか」
思いがけず聞こえた悲しげな声に、私は包まっていた寝具からチラリと顔を覗かせた。イクサさんは苦々しい顔で落ち込んでおり、私は頬を真っ赤にしながらも慌てて口を開く。
「ち、違います…!その、イクサさんに最近避けられてる気がして……」
「ああ…俺にはお前に触れる資格が無いからな」
「そんな…!私、またイクサさんに触ってもらいたくて……」
「は?意味が分からないな。…お前、痛がってただろう。俺が触れたら思い出すんじゃないか?」
「もしかして、それが理由ですか…?」
「…ふん、悪いか」
彼は拗ねたように言うと乱暴に寝具を剥ぎ取り、私を強く抱き締める。混乱しつつも彼の逞しい腕の温かさに胸が満ち足りていく。
「…馬鹿、好きな奴には触れたいに決まってるだろ」
「ごめんなさい……」
「クソッ、謝るな。わかってる…ほんとに馬鹿なのは俺だ」
彼をそっと見上げると噛み付くように唇を奪われた。何度も音を立てて吸い付かれ、すぐに息が苦しくなり何も考えられなくなる。
惚けたように口を開き舌を伸ばすと彼の舌先が触れ、ぬるりと舐め合う。二つの舌はくっ付きながら上下を入れ替え、身体はゆっくりベッドに沈んでいった。
「んっ…イクサさん……」
「…っ、はぁ…お前は元気が取り柄の癖に、最近やけに静かで…具合でも悪いのかと思った」
「イクサさんこそ疲れてるみたいだったので、早く休んだ方が良いと思って……」
「フッ、お互いに同じ勘違いをしてたのか」
「ふふっ、そうみたいですね」
「疲れてる時は、なおさらお前に触れたくなる。アステル、もっと俺を癒せ」
彼は私の首筋に顔を埋めながら、白い指を内腿に滑らせる。彼の熱い息がかかる度に背筋はぞくぞくと震え、秘裂から愛液が滲み彼の手を汚した。
イクサさんは私の下着を脱がし膝を立てさせ開くと、開閉を繰り返す膣口を指で拡げじっと覗き見る。
「濡れてるな……」
「い、イクサさん…そんなに見られると恥ずかしいです……」
「仕方ないだろ、我慢しろ。もしかして…ここを濡らすと痛みが減るんじゃないか?」
イクサさんは視線の先に顔を近付けていく。彼の赤い舌が生き物のように溝に沿って這い上がった。
ピチャッ…ピチャッ……
「きゃあっ♡イクサさん、なんで、舐めて…!?」
「んっ…おい、脚を閉じるな」
「恥ずかしいからダメです!」
「仕方のない奴だな…ほら、こうやって自分で膝の裏を抱えてろ」
「やっ…この体勢はもっと恥ずかしいです…!」
「お前が動くから悪い。嫌ならさっきみたいに自分で濡らすんだな。俺が見ててやるから、ほら」
「うう…このままで良いです……」
恥ずかしいところが丸見えになるような姿勢に顔から火が出そうである。天井を背にしたイクサさんは楽しげに笑い、ザラザラした舌で猫が水を飲むように蜜壺を何度も掬い上げた。敏感な粘膜を撫でられる甘い痺れに腰が浮き、嘗めとられた先から水が零れるのを止められない。
「…気持ち良いか?」
「はい♡あっ♡すごく♡気持ちいいです♡」
「…そうか。ここはどうだ?」
イクサさんは少しだけ頭を出した突起を舌で突く。直接的な刺激に眼前で光が弾け、本能的な危険さえ感じて大きく腰が引けた。
「ああっ♡イクサさん♡そこは♡だ、ダメっ♡やあっ♡」
「どうした、痛むか?」
「いえ、そうじゃなくて♡良すぎて♡おかしくなりそうです♡」
「フッ、そうか。涙ぐんで顔も真っ赤だな…もっとしてやる」
「えっ…!待って、ああっ♡やっ♡イクサさん♡だめっ♡」
私は足を抱えていた手を離し抵抗しようとするが、イクサさんに太腿をガッチリと上から抑え付けられていた。彼は尖らせた舌先で花芽を激しく嬲り、しゃぶりつき吸う。触れられてもいない膣内が激しく蠢き、下腹部が痙攣して溜まった蜜を押し出していく。
「ああっ♡やあっ♡イクサさん♡イクサさん♡あっ♡んっ♡ああっ♡」
「はあ…ナカからどんどん溢れてくるな…んっ……」
「イクサさんっ♡もう♡ダメっ♡なんか♡キちゃいます♡」
「…イけ」
「やあっ♡い、イっちゃう♡イクサさん♡イクサさんっ♡イく♡イく♡イくっ♡あああっ♡」
ビクビクッビクンッビクンッ
私は背中を反らし、蜜壺からゴポリと愛液を吐き出しながら達した。初めての絶頂の余韻ではしたなく腰が揺らめく。
「はあ…はあ…♡」
「…大丈夫か?とりあえず今日はここまでで良いだろ」
軽く髪を撫で離れようとする彼の手を、私は無意識に掴んでいた。
「…どうした?」
「えっと…もう終わりですか…?」
「お前…それ、わかって言ってるのか」
「……はい」
甘えるような声と自分が物欲しそうな顔をしているのが分かる。イクサさんは溜息を吐くと私に覆い被さり、脚の間に身体を割り込ませた。
「…挿れるぞ」
グチュッ…ズチュッ……
収縮する膣口に熱く昂る先端が少しづつ侵入してくる。どろどろに溶けた膣は滑るように陰茎を受け入れ、愛しさで胸が一杯になっていく。
「んっ♡はあ…はいって…くる♡イクサさん……」
「くっ…すごいな…何だこれは…あっ、馬鹿、締め付けるな…うっ!」
ビュルルルッ
低い呻き声の後、お腹の中に温かさが広がる。イクサさんは苦々しい顔で落ち込んだように言った。
「はぁ…最悪だ」
「で、でも、気持ち良かったです!明日とかにまた……」
「いや、まだだ…まだ出せる。この一ヶ月俺は一度も射精してないからな。全部出し切ってやる」
確かに膣内のペニスは熱く昂り芯を持ち続けていた。イクサさんに身体の内側を引っ掻かれ奥を突かれて、私は未知の感覚に悶える。
グチュッズチュッグチュッヌチュッ
「あっ♡あっ♡んっ♡イクサさん♡」
「はあ…はあ…アステル…アステル……」
「んっ♡ああっ♡気持ち良い♡あっ♡また、イっちゃいそうです♡」
「ああ…俺も…すぐにイきそうだ…セックスは…こんなに…気持ち良いのか……」
「あっ♡イクサさん♡好き♡ああっ♡い、イく♡イくっ♡」
「アステル…んっ…出る…うっ…うああっ!」
ビュルルルッビューーーーッッ
ビクビクッッビクンッ
イクサさんは私を腕に閉じ込め、再び熱い精を勢い良く放出する。私も彼の背中に手を回すと、陶器のように綺麗な肌がしっとりと張り付いた。
「はあ…はあ…俺の身体と違って柔らかいな……当たり前か」
「イクサさんは細いけど筋肉質ですね」
「おい、くすぐったいぞ…それに俺は細くない。周りが異常だっただけだ」
「ふふっ、そうかもしれません」
「…お前、なんで他の奴の裸を知ってるんだ。まさか見たのか?」
「ええっと…たまに着替えの時に部屋に入ってしまって……」
「…………」
「ごめんなさい……」
彼の呆れた視線に耐えきれず謝ると、無言で尖った乳首に軽く歯を立てられた。
「きゃあっ♡い、イクサさん…?」
「はぁ…お前は無防備すぎるぞ。他の奴に裸を見られたりしてないだろうな?」
「し、してません…多分」
「多分ってなんだ」
「スラッシュとは一緒にお風呂に入ってたし……」
「は?」
「ち、小さい頃ですよ!でもいつまでだったかはあんまり覚えてなくて……」
「…やっぱりあいつはジャマだな。会う度に突っかかってきて面倒だ」
「スラッシュは昔から心配性なんです…きゃあっ♡」
彼は乱暴に陰茎を奥まで挿入し腰を打ち付ける。激しく子宮を突き上げられ、脳を揺さぶられるような快感に嬌声を上げた。
グチュンッズチュンッバチュンッ
「あっ♡やっ♡イクサさん♡急に♡んっ♡あっ♡」
「はあっ、はあっ、お前は…いつもあいつを庇うよな……」
「そういう訳じゃ、あっ♡ただ、二人には仲良くして欲しいんです、ああっ♡」
「ハッ、無理だな…俺はあいつの大事にしてたものを奪った」
「んっ♡大事な、もの…?」
「馬鹿。お前のことだ…まあ、後悔はしていない。アステル…もう俺以外に裸を見せるな。約束しろ。他の奴の裸を見るのも駄目だ」
「あっ♡んっ♡はい♡約束します♡」
「…それでいい」
イクサさんは微笑み優しく唇を重ねた。口付けは深くなり温かな肉が一つになっていく。
「んっ…アステル、身体は痛くないか?」
「はい、大丈夫です」
「お前の『大丈夫』は信用出来ない」
「ええ…!どうすれば良いんですか?」
「知るか。自分で考えろ」
イクサさんは困る私を見て楽しそうに笑う。少し頬を膨らませて睨んでみるものの、彼はその頬を摘まんで引っ張った。
「い、いくひゃひゃん…!」
「フッ、マヌケ面だな」
「もう……」
「…なあ、これは普通何回するものなんだ?」
「えっと…私はイクサさんが初めてなのでわかりません……」
「俺だってそうだ。この身体はヒトと違うからな…射精できることもお前と恋人になるまで知らなかった」
「…子どもも出来ると良いですね」
「ああ、そうだな…まあ、普通なんて気にしても仕方ないか。俺達は俺達だ」
「ふふっ、はい。その、回数も…イクサさんの好きなだけ……」
「フッ、そのつもりだ。もう止まらないからな…後悔するなよ、アステル」
***********
いつの間にか日は落ち、窓から射すほのかな月明かりだけが枕元を照らしていた。私たちは時間も忘れ、獣のように盛り暗闇の中でお互いを貪り合う。
グチュンッグチュッズチュッヌチュッズチュンッズチュンッ
「はあ…はあ…アステル、また…イく……」
「んっ♡きてください…あっ♡私も♡イきます♡イくっ♡イくっ♡」
「くっ…気持ち良いな…ナカが吸い付いて…んっ……」
「あっ♡イクサさんの♡良い所にあたって♡あっ♡きもちいい♡」
「最高だ…はあ…アステル…イくぞ…んっ、うああっ!」
「あああっ♡♡」
ビュルルッビューーッッ
ビクンッビクビクッビクンッ
数え切れないほどの射精を受け止め、シンクロするように絶頂を迎える。ペニスは大きく脈打ち、張り詰めた亀頭で子宮へと白濁を押し込んだ。
彼は眉を顰め切なげな吐息を漏らすと、出し切る前にまたナカに肉棒を擦り付ける。
グチュッグチュッグチュッグチュッ
「んっ♡イクサさん♡イクサさん♡」
「はあ…はあ…アステル…アステル……」
余裕なく求める彼の表情と掠れた声に、欲望が溢れ出す。私は彼の背中に手を、脚を腰に回して、自分の身体と密着するように引き寄せた。
「好きです♡イクサさん♡大好きです♡」
「おい…動き辛いだろうが……」
「でも、イクサさんともっとくっつきたいんです♡」
「バカ…煽るな。俺だってお前とくっつきたい……」
彼はそう言いながら私の下唇を食み、舌先で歯列をなぞる。もはや全身を擦り付け合うような動きで、辛うじて結合部を乱した。イき過ぎて感覚が麻痺した膣内は常に震え、ペニスを絞り快感を生み出す。
「イクサさん♡イクサさん♡好き♡好き♡大好き♡」
「はあっ、アステル、アステル…俺はお前のものだ…んっ…イくっ、イくっ、うっ」
「あああっ♡♡」
ビュルルルッッ
ビクッビクビクッ
イクサさんは確実に孕ませるかのようにグリグリと最奥を犯し押し付ける。
「アステル…俺はずっとお前を感じていたい…止められないんだ。まだお前を抱きたくて堪らない…どうすればいい?」
「私もです♡まだ…抜かないで下さい♡もっと欲しいです♡イクサさんの好きなだけして♡」
「フッ、後悔しても知らないからな…俺が満足するまで付き合って貰うぞ。お前が俺を嫌いになっても、俺はお前を絶対に離さない」
「きらいになんてなりません♡イクサさん♡好きです♡大好きです♡」
「ああ…俺もだ。アステル、俺以外を見るな…お前がいれば他に何も要らない。お前の運命の相手は俺だ…お前の全部が欲しい」
口付けを交わすと陰茎は抜かれることなく膣内で硬度を取り戻していく。精液で満たされた膣内は激しい抜き差しで大きな音を立てた。
グチュンッズチュンッパンッパンッパンッパンッ
「はあ…はあ…アステル…アステル……」
「あっ♡あっ♡イクサさん♡好き♡好き♡好きっ♡」
「アステル…うっ…また…イくぞ…はあっ、はあっ、ん…ああっ!」
「あああっ♡」
ビクビクッビクンッ
ビュルルルッッ
イクサさんは最後の一滴まで出しきるように腰を押し込み、私も下腹部を擦り付けた。私の指に彼のが絡まり、啄むようなキスが降ってくる。
「…可愛いな」
「えっ…?」
「可愛い。綺麗だ」
「め、めずらしいですね」
「思うだけじゃなくてこれからは言うようにする…お前に愛想を尽かされないようにな」
「もう、そんなことしません…!でも嬉しいです。私はイクサさんのこと、いつも格好良いって思ってます」
「調子の良い奴だな。ほんとに思ってるか?」
「思ってますよ!」
じっと見つめ合い、耐え切れず二人同時に笑い出す。私たちは優しく甘い口付けをして、いつかのように誓い合った。
「アステル、愛してる」
「私も愛してます」
********
「イクサさん、起きて下さい。朝ごはん出来ましたよ」
「んっ…朝か…なんだお前…服着たのか」
「えっ、はい」
「今日は休みだろ…来い」
「きゃっ」
眠たげな目のイクサさんに腕を引かれる。バランスを崩した体を引きずり込まれ、そのまま抱き締められた。
「もう…!ご飯も冷めちゃいますし、起きなきゃダメですよ」
「眠い……」
「い、イクサさん、寝ながら脱がせないで下さい!」
「一晩で足りる訳ないだろう…飯を食べても良いが服は脱げ」
「ええっ!ダメです!」
「アステル、好きだ。愛してる」
「っ!?わ、私も好きです……」
「そうか。なら問題ないな」
「きゃあっ!待って下さい…!やっ♡イクサさん♡あっ♡だめっ♡ああっ♡♡」